2009年4月17日金曜日

動物生化学Q&A 081125

難しい科学英語ばかりで理解に時間がかかりそう。試験でも物質名を英語表記することがあるか?

日本語の表記はテキスト中の図にありますのでそちらを見て下さい。

試験で英語名(英語表記)で回答することを求めないつもりです。科学英語の授業ではないので英語力を問うことはありません。でも日頃からできるだけ英語表記に接して英語表記に慣れると今後大いに役立ちます。そんな日常の習慣をつけるといいなぁ、という意味で、敢えて英語のスライド・プリントを使いました。

 

ペントースリン酸経路にXu5Pの生産までが含まれるか?

はい。授業では特に注目・説明しませんでした。Ru5Pから生成されるR5PXu5Pの比は、細胞によって異なります。(p284、「B.段階2」参照)

 

糖新生の役割りがわからなかった。

通常は解糖によるエネルギー生産に必要なグルコース(およびG6P)はグリコーゲンの分解で供給されるますが、絶食/飢餓時などグリコーゲンからのグルコース供給が途絶えた時に、アミノ酸(アラニン、アスパラギン酸等)、乳酸、グリセロールといった炭素源からグルコースを合成するのが糖新生です。グルコースを合成するためのエネルギーは、主に脂肪酸の酸化によって得られます。糖新生はおもに肝臓で(一部腎臓でも)行われ、作られたグルコースは血流に乗って体中に運ばれます。

 

肝臓のグリコーゲンだけでどれくらい生きられるか?

複数のWebページからの情報によれば、肝臓のグリコーゲンは、たった1日の絶食(状況によっては一晩眠っている間に主に脳によって)ほとんど消費されてしまうそうです。そのために糖新生によって糖以外の物質からグルコースが合成されます。

 

グルコース-1-リン酸(G1P)の構造式を描いたが、答えを教えて欲しい。

p294 15.7にあります。

 

解糖系と糖新生の反応にかかる時間は変わらないのか?

それぞれの経路用の基質濃度、酵素活性で変動します。

 

グリコーゲン分子の還元末端側のグルコース単位とグリコゲニンとの結合様式は?

グリコゲニンは重要か?(って試験に出すかという質問?)

Box15.3p 298)は重要か?(って試験に出すかという質問?)

グリコゲニン(37 kDaのタンパク質)は自身のTyr194194番目のチロシン残基)の水酸基にUDP-グルコースからグルコースを転移させる酵素活性を持ちます。従って、グルコースの1位の炭素を介してグリコゲニンに結合してます。(p 310, 15-32中で糖受容体RがグリコゲニンのTyr194だと考えればよい。)グリコゲニンは、結合したグルコースの4位に、さらにUDP-グルコースからグルコースを加えてグルコース鎖(α14)をのばす活性も示し、これによって新規グリコーゲン分子の生合成が始まります。鎖長が8〜10まで伸びると、グリコーゲンシンターゼによる更なる伸張と、分岐酵素による分岐化が進みます。以上は付加情報です。出題範囲とはいいませんが、知っておいて損はないでしょ?

 

解糖と糖新生を個別に制御する意味とメカニズムは?

p 309右カラムの、C.糖新生の調節 を参照して下さい。別々の反応経路になっている理由は、途中に「発エルゴン反応=自発的な不可逆反応」段階を含むので、同じ経路では逆向きの反応を進めることができないからです。

 

グリコーゲン生合成において、ホスホリラーゼが活性化して分解側に進むのならばグリコーゲンができないのではないか?

グルカゴンなどのホルモンによってcAMP依存的プロテインキナーゼAがホスホリラーゼキナーゼを活性化

→リン酸化によってホスホリラーゼが活性化&グリコーゲンシンターゼを不活化

→グリコーゲン分解↑&グリコーゲン合成↓

となります。

逆にインスリンによって、プロテインホスファターゼ活性が上昇

→脱リン酸化によってホスホリラーゼが不活化&グリコーゲンシンターゼが活性化

→グリコーゲン分解↓&グリコーゲン合成↑

 

グリコーゲンのα1,6グルコシド結合による分岐点に残った1残基のグルコース単位が除去されるところがわかりにくかった。

このグルコース残基は、脱分岐酵素によって加水分解され、グルコースとして遊離します。

 

グリコーゲン分解で生じたG6Pはα型やβ型をとるのか?

αアノマーになります。

 

グルコース-3-リン酸という物質はないのか?

あります。

 

G1PからUDPグルコースが作られる反応がわからなかった。

p296の図15-9を参照しましょう。この反応を触媒する酵素はUDPグルコースピロホスホリラーゼ。

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