2009年5月26日火曜日

水族生化学特論Q&A 090519

生体がいくつかの経路を用意していて異物によってそれらの経路を使い分けているのか?
基本的にはその通り。1:1の対応があるわけではない。

採血後のコイを食べるのか? あるいは他の実験に使う?
気が向くと食べます。洗い、こいこく(お味噌汁)。でも一度に沢山のコイ(30〜40尾)から採血すると、料理どころではない場合が多い。採血やお昼ご飯でこちらにお世話になってます。(広松養魚場)
http://www7.ocn.ne.jp/~hiromatu/

求愛遺伝子の変異がどのように求愛行動の異常を引き起こすのか?
記事を引用すると、
”2008年09月18日 雌への求愛などの性行動を活発にする遺伝子を発見
雄の求愛などの性行動 脳の“司令塔”を特定
 雌への求愛など、性行動を“男らしく”している脳細胞を、東北大大学院と北海道教育大の研究グループがショウジョウバエで特定した。約10万個の脳細胞のうち特定の場所に形成される20個ほどの「雄型細胞群」が雄の性行動の司令塔となっていた。11日付の米科学誌「ニューロン」に発表した。
 東北大大学院生命科学研究科の山元大輔教授らは、脳細胞のごく一部を雄型に性転換させた雌のキイロショウジョウバエを205匹作り、性行動を調べた。
 1匹ずつ正常な雌と“お見合い”させると、205匹中16匹が雄特有の求愛行動を起こした。性転換した脳の領域を調べると約20個の脳細胞がほぼ共通していた。他の細胞が「完全な雌」でも、この20個の雄型細胞群を組み込んだショウジョウバエは雄としてふるまった。
 これまでの研究で、ショウジョウバエの性決定にかかわる2つの遺伝子が分かっており、連携して雄型の神経回路と雌型の神経回路を作り分けているという。今回の成果で、脳細胞の生物学的な違いが行動の性差のもとになっていることが分かった。研究グループの北海道教育大の木村賢一教授は、「ショウジョウバエで見つかった脳細胞の性差は、ヒトの意識や行動に現れる男女差を解明し、客観的に理解するうえでも大きなヒントになるだろう」と話している。”
詳細は山元大輔教授の著作を探してみて下さい。

H1N1 Flu(=トンフルって言うんですか?)に罹った人はこのインフルエンザに対する免疫ができるのか?
当然できるでしょうね。実際に自然に感染してできた免疫は強くて長持ちでしょう。あ、鳥インフルは”トリフル”ってわけね。じゃあ、人々のインフルエンザということで”民フル”? 「あー寒い」

H1N1 Fluに罹ったら、これを認識する新しいレクチンができるか?
レクチンは創造されません。抗体やT細胞受容体などの獲得免疫による抗原レセプターを作るリンパ球クローンが体内で樹立されます。

様々なファミリーのレクチンが体表に分布した方が、病原体に認識スペクトルが広がって生残に有利に働くのか?
そのように考えられていますが、それを証明するのは簡単ではないですね。

レクチンの明確な定義は?
糖鎖結合タンパク質(ただし、抗体とグリコシダーゼを除く)
http://www.glycoforum.gr.jp/science/word/lectin/LEA00J.html

MBLの他の糖でのアセチル基への結合性は調べられているか?
GlcNAcとGalNAcだけです。

Lily型レクチンがフグに存在するのとは逆に、フグの遺伝子に似た遺伝子がユリのゲノムに持ち込まれているようなことはないか?
おもしろいですね。でも今のところ見つかっていません。

ある種のレクチンが補体を活性化することはわかったが、その補体の活性化が免疫にどのように関わるのか?
補体が活性化されると、微生物に対する食細胞の活性があがったり、炎症が起きたり、さまざまな反応が進みますが、詳細は別の回の授業で。

ではいったいficolinは何を認識しているのでしょう? アセチル基? β-1,3-グルカン?
わかりません。β-1,3-グルカン中に一部アセチル基が含まれているのか、その他の官能基がたまたまアセチル基と似た立体構造を取るようになるのか?

コイもゼブラフィッシュと並んでモデル動物としてよく使われるか?
細胞やタンパク質などを使った実験にはよく使われますが、ゲノムが大きいので(2n=100で全ゲノムサイズはヒトの約半分)ゲノムプロジェクトの対象にはなっていません。

メス決定遺伝子は存在するか?
動物によって性決定の仕組みはさまざまなので一概にはいえませんが、メス決定遺伝子というのを、私は聞いたことがありません。(知らないだけかも)こちらあたりをとっかかりにして調べてみたら?
http://www.biological-j.net/blog/2008/01/000376.html    そもそも性が遺伝的に決まらない生物もあります。

レクチン(MBLやficolin)が糖鎖に結合すると、それらに会合しているプロテアーゼ(MASP)がどのように活性化されるのか?
会合した分子全体の立体配座が変化し、その力によってMASPの前駆体が弱いながらもプロテアーゼ活性を示すようになり、近傍のMASPを活性化型に加水分解してから、その活性化型によって本格的に補体の活性化が進む(自己活性化)というシナリオが受け入れられています。

マンノース結合レクチンとガラクトース結合レクチンの存在は、陸上と水中など、生息環境の違いを反映しているのか?
そのように推察していますが、支持する実験データはまだありません。

魚類の他に、体表にレクチンを発現している動物はいるか?
単純な例ではナメクジやプラナリアなど。
http://www.j-tokkyo.com/2002/C07G/JP2002-356493.shtml

遺伝子の命名ルールは?
http://ja.wikipedia.org/wiki/遺伝子命名法

Fakelin研究のその後は?
地道に、どんな微生物に結合できるか?を調べます。(3−4種の細菌・酵母を試したが全く結合せず、、、、)

魚類免疫、特にレクチンの解明の今後の展開は?
特に、体表や消化管内での感染防御と免疫応答における役割りを解明し、魚類ワクチンの効果増強などに役立てる。

抗体による微生物の認識も糖鎖の認識によるのか?
糖鎖を認識する抗体もあります。

レクチンはグラム陰性菌と陽性菌の細胞壁構造の違いを見分けるか?
見分けるレクチンもあります。(ペプチドグリカンの細かい構造の違いによる。)

MBLやficolinのコラーゲン様ドメインは、コラーゲンとどのように似ているのか?
G-X-Yという繰り返しアミノ酸配列を含み、実際に三本鎖らせん構造をとっていること。

レクチンの糖鎖結合ドメイン一つと糖鎖の結合は弱い(親和性が低い)とのことだったが、その親和性自体を上げることが可能か?
劇的には上がらないでしょう。そもそも限られた数の水素結合か疎水的相互作用をするだけなので。

2009年5月20日水曜日

魚類免疫学Q&A090520

ほ乳類の赤血球に核がないのはなぜか?
こちらより引用。
なぜ赤血球は無核なのだろうか。これも進化的に説明できる。無核の赤血球は哺乳類の特徴である。温血動物で酸素運搬機能に特殊化した結果なのだ。哺乳類の赤血球は他の動物の血球に比べて小さいし、それ自身の代謝活性が低く、エネルギーをあまり消費しない。細い毛細血管を通して体のすみずみにまで、酸素を運ぶことが可能なのである。

ほかに、核がない分、体積に比較して表面積が広く、細胞内外の酸素の交換に有利、という説明もあります。

魚類のリンパ球による食作用は、好中球の食作用と同じように行われるのか?また、貪食した異物を分解し、マクロファージのように抗原を提示するのか?
基本的に同じ。貪食したら活性酸素も作って殺菌する。抗原提示するかどうかはまだ未解明。
参考文献:Li J, Barreda DR, Zhang YA, Boshra H, Gelman AE, Lapatra S, Tort L, Sunyer JO. B lymphocytes from early vertebrates have potent phagocytic and microbicidal abilities. Nat Immunol. 2006 Oct;7(10):1116-24.

リンパ球がビーズを貪食したことがフローサイトメトリーでわかるか?
わかります。フローサイトメトリーで、前方散乱光も側方散乱光も弱い「リンパ球」集団について、蛍光ビーズの蛍光強度を測定すれば良い。

ラテックスを細胞が取り込んだら、その細胞が死んでしまうことはないか?
好中球は死んでいくでしょうが、マクロファージやB細胞は死なないでしょう。今のところ、食べ過ぎて破裂して死んだ、という細胞を見たことはありません。

ほ乳類と魚類のそれぞれにおいて、リンパ球とマクロファージ間の関連がよくわからなかった。
ほ乳類では、(1)侵入してきた異物(菌)を好中球やマクロファージが貪食する。(2)マクロファージは、貪食して分解した異物由来の分子(主にペプチド)を細胞表面に戻して提示(=抗原提示)。(3)提示された抗原をリンパ球が認識して、その抗原に対する特異的な獲得免疫応答が始まる、という流れです。
魚類では、少なくとも(1)に(たぶん(2)にも)Bリンパ球も参加すると予想されています。

好中球やマクロファージは自らが産生した活性酸素でダメージを受けないのか?
鋭い質問です。特に好中球はこれがおこります。好中球自身のみならず、周りの宿主細胞にもダメージを与えることが知られています。マクロファージでは、おそらく活性酸素を消去する酵素の働きで、自らに激しい障害を与えることはないそうです。

フローサイトメトリーとFACSの違い?
Flow Cytometory=FACS=fluorescence activated cell sorting
FACScanはベクトン・ディキンソン社のこの解析装置の登録商標。
参照ページ:http://www.bc-cytometry.com/

好中球の寿命が短いのは何か理由があるのか?
<調査中>

なぜマクロファージがプラスチック製のビーズを異物として認識するのか?
鋭い質問。答えはわかりません。プラスチックを特異的に認識する受容体がある訳ではない。(ほかには、炭素粒子=墨汁の墨粒も貪食される)
こちらの解説には、
白血球はまた、ラテックスビーズな
ども貪食します。この場合には異物表面の電荷が問題になります。細胞表面のシアル酸は
負の電荷を帯びています。それゆえ、正の電荷を帯びたラテックスビーズなどは静電的に白
血球に結合し、これが貪食を誘導します。

とありますが、ラテックスビーズ=ポリスチレンビーズなので、ポリスチレンには電荷はないはず。
(ところで、単にラテックスといったら合成ゴムのことをさす。たとえばラテックス手袋とか。語源はこちら。)

顆粒球が多形核をもつ意味はなにか?
<調査中>

白血球は(プラスチック)ビーズを取り込んでも分解できない気がする(→その通り!)。分解できない物は白血球はどうしているのか?
そのまま細胞内(ファゴリソゾーム)にとどまるでしょう。魚類では、そんなマクロファージは徐々に体表に移動し、やがて体外に捨てられるそうです。

好中球とマクロファージの間の感染局所への集合速度の違いは、それらの構造上の違いに由来しているのか?
<調査中>

なぜ、魚類ではBリンパ球に食作用があるのか? 魚類にあってほ乳類にない理由は?
はっきりとはわかっていません。現在の仮説は、「Bリンパ球とマクロファージは、進化的には食作用を備えた共通の祖先細胞に由来し、魚類ではB細胞に分化しても、祖先の性質が色濃く残っている」というものです。魚類ほど強力ではありませんが、両生類のB細胞にも食作用活性が認められるそうです。

好酸球の駆虫活性とは?
こちらに解説があります。
蠕虫類の感染において、虫の排出する抗原が、T細胞(Th2)や肥満細胞を活性化させ、それらの細胞からインターロイキン4(IL-4)が作り出され、その結果、B細胞から抗体(IgE)が作り出されます。IgEは抗原とともに肥満細胞に脱顆粒を起こさせ、好酸球を虫の近くに集合させます。寄生虫の周囲で、好酸球は抗体や抗原の作用によって、脱顆粒を起こし、リソゾーム物質、主要塩基性蛋白、活性酸素を放出して、寄生虫を処理しようとします。これを抗体依存性細胞傷害作用(Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity: ADCC) と言います。そのために、蠕虫感染の場合には、血液中のIgE が上昇し、また、好酸球数が増加します。


蛍光強度と細胞数の関係がわかると何に役立つのか?
たとえば、今回話した蛍光標識ビーズの貪食活性ならば、どれほどの貪食活性を示す細胞がどれくらいの割合で存在するかがわかり、その活性の高い細胞濃度によって、(たとえば魚の)病原菌に対する防御活性を推し量ることができます。

海水魚は海だけでしか生きられず、淡水魚は淡水でしか生きられないのはなぜか?
調べてみて。キーワードは「浸透圧調節」。ちなみに、海水・淡水どちらでも生活できる魚種もかなりあります。参考文献はこちら

ピタゴラスイッチに出てくるような装置を(講義で)作りましょう。
ハハハ、、、、と受け流しときます。代わりにアルゴリズムマーチはいかが?


ピタゴラスイッチのメロディーが頭から離れません。
そんな君にはだめ押しにこちら。


こんなのもいかがか?

魚類免疫学Q&A 090422

卵を煮たり焼いたりしたらリゾチウムは失活するか?
100℃に加熱してしまえば、リゾチウムはほぼ完全に変性・失活してしまいます。pHや共存するタンパク質、イオン組成にも依存しますが、卵白リゾチウムは60℃〜70℃くらいまでは安定であると報告されています。(20分程度の保温時間として)

卵を食べると、卵白に含まれているリゾチウムによって免疫力が上がるか?
変性してしまうほど加熱されていなければ、いくらかの抗菌効果は期待できるでしょうね。

バクテリアに似たアセチル基の分布をもつ分子がカブトガニなどの宿主には全く存在しないのか? 高密度のアセチル基の存在は微生物に特異的なのか?
アセチル基が高密度に規則正しい間隔で並ぶ、という空間配置は、およそバクテリアの細胞壁などの微生物由来と考えられます。
全ての微生物由来分子構造が、微生物に特異的である、とは言えません。私の経験では、コイの血清中には、免疫して無くてもウサギ赤血球に結合する抗体がしばしば含まれますが、コイがウサギ赤血球に出会うチャンスは天然では無いと考えられます。これは、ウサギ赤血球表面に存在するなんらかの(おそらく糖鎖構造)分子と似た分子を持つ微生物を、コイの免疫系が過去に認識したことがあるからだろうと考えられます。

実験中に、たとえばリゾチウムのコンタミなどの自己を防ぐような工夫をしないのか?
もちろん現在ではそんな汚染を防止する対策をしています。基本的には、手袋をする、マスクをするなどの注意の他に、汚染すると困るものを同じ実験台で使わないなど、様々な対策が考えられます。もしRNAを分離する機会があれば、このような汚染に対する注意が以下に重要であるかを体験するでしょう。

α2マクログロブリン(A2M)によるプロテアーゼ阻害機構は? また、A2Mは生体内のプロテアーゼには作用しないのか?
A2Mは、まずプロテアーゼに自分の一部の構造(特定の部位のペプチド結合)を切断させ、それによって自らがそのプロテアーゼを閉じこめるような立体構造変化を起こします。標的であるプロテアーゼに切断される部位を「Bait-region」と呼びます。
A2Mは、微生物などに由来する外来のプロテアーゼばかりでなく、内因性の(自分の生体内で合成した)プロテアーゼも阻害します。むしろプロテアーゼの種類を選ばない、と言えます。生体防御や凝固系で働くいくつかのプロテアーゼを阻害できることが判明しており、その阻害が各種生理機能の制御に重要であると考えられています。

チキンタイプと比較してグース型リゾチウムの利点は何か?
特にメリットといえる点は知られていません。

レクチンなどによって凝集された微生物が凝集したまま動き回ることはないのか?
そのような現象が観察されて例はありません。

抗菌ペプチドが体内で賛成されるものならば、長い歴史の間にそれに対抗できる(耐性)菌が生まれてもよいのではないか?
そうかもしれませんが、証拠はありません。でも、この質問(疑問)はとても重要です。もし耐性菌ができていないとすれば、なぜできなかったのかは重要です。

マンノース結合レクチンとコングルチニンの立体構造の違いに関連して、四量体と六量体という構造の違いによってなぜ機能に違いが生じるのか?
Good Question! 私たちは、糖鎖認識部位の向きによって機能が違うと理解していますが、完全な証拠に裏付けられているわけではありません。

新しく見つかった因子が何に結合するのかはどうやって調べるのか?
すごくスルドイ質問です。何か心当たりの成分(分子)があれば結合性を調べられます。方法のキーワードはたとえばBIACOREとか表面プラズモン共鳴、Quartz Crystal Microbalanceなどがありますが。相互作用する物質に心当たりがなければ、もっと網羅的に(=片っ端から)結合相手を探します。(インタラクトーム解析)。その方法にもいろいろありますが、調べるキーワードは、たとえば、ツーハイブリッド(Two hydrid)。

体内で働く抗菌ペプチドを、体外で抗生物質代わりに使うことがなぜ危険なのか?
体内では、抗菌ペプチドだけでなく他の免疫系も働いて菌が排除される(殺される)。菌と抗菌ペプチドの接触時間も短く、耐性菌が生じるチャンスがほとんどない。体外で使うと、加えた抗菌ペプチドと菌が長く、突然変異などで耐性菌が生じる機会が比較的増えるから。

親水性残基として酸性や非極性親水性のアミノ酸をもった抗菌ペプチドはないのか?
抗菌ペプチドは何故バクテリアを認識できるのか?
今のところは、そのような抗菌ペプチドは見つかっていません。少なくとも、抗菌ペプチドは塩基性から中性での荷電基を持つ両親媒性のペプチドであり、この性質は、作用すべき微生物の細胞膜表面の方が、宿主よりもマイナス荷電を多く持つこととよく一致します。なお、バクテリアが生産する抗菌ペプチド(バクテリオシン)は、多細胞動物が作る抗菌ペプチドとは異なる化学的性質と作用機構をもつようです。
バクテリオシン参考web
http://www.microbes.jp/dic/Content/ha013.html
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/biosci-biotech/biseibutu/theme-bacteriocin.html
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/biosci-biotech/biseibutu/theme-nukacin.html


知らない単語が多くてその説明が書かれていないので、初出の単語の説明をなるべくして欲しい。
できるだけそのように務めます。後日詳しく説明する語句をとりあえず紹介しなければならない場合もあるんですけど。

CタイプレクチンはなぜCaイオンを必要とするのか?
分子内にCaイオンと結合する部位があり、ここにCaイオンが配位することで正常な機能を果たす立体構造を保つことができるためです。通常、体液中には2-3 mMのCaイオンが含まれていますが、これはCタイプレクチンのようなCa要求性のタンパク質にとっては十分な濃度です。

今日(4/22)習った免疫系は全て人体にあるのか?
あります。抗菌ペプチドの細かい種類などには違いがあるけれど。

Type Iインターフェロンが活性化するNK細胞とはどんな細胞か?
NK=natural killer細胞は、免疫刺激が無くとも、もともとガン細胞やウイルス感染細胞などを殺す能力を備えたリンパ球の一種。

動物リゾチウム以外にも動物の免疫因子が人間の生活に役立っている例はあるか?
たとえば、さまざまな動物にある抗菌ペプチドを、抗菌性の医薬や食品保蔵に使おうという試みはあります。
(特許の例)http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/patent/advanced/detail.cgi?pat_id=7642
また、マウスの細胞を使って作成するモノクローナル抗体は、医薬や試薬として広く利用されています。

授業の最初と最後にもっとマクロなレベルでの各キーワードの関係を示して欲しい。
全体の流れをつかみたい、ということね。工夫してみます。が、自ら質問することによっても、情報を補って下さい。

HIV感染者は口中にカビが生えてしまうと聞いたことがあるが、唾液に含まれるリゾチウムやレクチンがなくなって免疫不全に陥るのか?
人の場合、AIDS患者の口腔内でCandida感染を防げなくなることがあるそうですが、これはヒスタチンという抗菌ペプチドの濃度が低くなっていることと関係があると言われています。なぜヒスタチンレベルが減るのかは不明(私が知らないという意味)。

現在、抗菌ペプチドに耐性を示す菌が確認されているか? 
天然ではまだのようですね。実験室内で人為的に誘導された耐性菌株はあります。一方、バクテリアが作る抗菌ペプチド(バクテリオシン)に対する耐性菌は存在します。
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/human_life/aso/project2.htm

抗菌ペプチドの耐性菌の耐性獲得メカニズムは?
作用機構があまり分かっていないので、耐性獲得機構もよく分かっていません。今後重要な研究テーマです。参考Web
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/sa-to/joetutrial-08.htm

魚類免疫学Q&A 090513

無脊椎動物の補体のメカニズムは哺乳類のものと同じか?
哺乳類と異なる点は、
1.補体が直接標的細胞を殺す活性を持たないこと。(C5〜C9がないので)
2.抗体を持たないので、古典経路がないこと。
まだまだあるでしょうが、それは現在調査中。

補体による細胞傷害を受けた細胞は、その後白血球に食べられたりするのか?
粒子状の異物が生きていようが死んでいようがそのまま体内に放置されることはなく、食細胞で処理されます。

C3といろんな(活性化)経路との繋がりがピンと来ない。
C3を活性化するためには、C3→C3a + C3bに分解する特異的なプロテアーゼが必要。そのプロテアーゼを形成する反応が、各活性化経路です。C3bは溶解経路(=細胞傷害経路)の最初の成分C5を活性化するために働きます。

補体は血清中にしか存在しないか?
その他の体液にも存在すると考えられますが、血清中とまったく同じ状態かどうかは分かりません。

カブトガニは食べるとどんな味がするのか?
私は食べたことがないので、理学部の川畑先生に聞いてみましたよ。下記がそのお返事です。
-------- Original Message --------
Subject: Re: 質問
Date: Fri, 15 May 2009 13:04:14 +0900
From: Shun Kawabata
Reply-To: skawascb@kyudai.jp
To: mikimnakao@kyudai.jp

中尾様

中国、タイなどではいまでも料理屋さんで出るそうです。たしか生化学工業の方
が中国で食べたことがあるようなことを聞いたことがあります。食べる部位は、
カニみそに相当する肝すい臓です。中国料理の場合、香辛料をかなり混ぜるよう
ですので、あまり本来の味ではないでしょうが、食感はたぶんカニみそでしょ
う。筋肉はカニとちがってほとんどついていませんので、食べるところはないで
しょう。

川畑俊一郎


白血球を計数は、(水族生化学の?)研究室でよく行われる実験か?
食作用活性を測る以外にも、リンパ球の増殖を調べるなど、しばしば白血球を計数しています。(杣本先生が専門家)

C3から第二経路に進むときにどんな反応が起こるのか?
説明を端折りました。かなり複雑なので。

補体を持たない動物は代わりにどんな物質を用いているのか?
抗菌ペプチドの殺菌作用、ある種のレクチンによるオプソニン作用が考えられます。また、昆虫などではフェノールオキシダーゼ系による殺菌機構も備わっています。(微生物感染や傷に応答してメラニンを合成する途中で、様々な抗菌性の分子が産生される。)

補体の大腸菌への結合は大腸菌が細胞に結合する機構に似ている?
そうでもない。大腸菌が宿主?細胞に結合するのは、かなり特異的な受容体タンパク質を介して、非共有結合的な相互作用によります。

補体をもつ生物どうしで補体を比較すると何が見られるか?(=どんなことがわかるか?)
種を越えて大事な補体の基本的な反応機構と機能。各動物の生育環境に応じた補体の進化。

補体の膜侵襲複合体によって孔を明けられて死んだ異物はどのように観察されたか?
電子顕微鏡で観察されてます。補体だけで孔をあけられて簡単に死んでしまう細菌は、実は少なくて、多くの病原性細菌はなかなか死なない。(だからこそ病原性なのかもね。)

C3以外の補体の分子的仕組も気になった(=C3以外の補体成分の反応の仕組みにも興味が湧いた?)C3のC3aとC3bへの限定加水分解のメカニズムをもっと詳しく知りたい。
各活性化経路で、C3に対して非常に特異的なプロテアーゼ複合体が形成されます。
詳しくは、参考書とWeb情報を。
http://ja.wikipedia.org/wiki/補体
http://www.med.hokudai.ac.jp/~bac-w/
「免疫学の基礎」(小山・大沢)東京化学同人
http://www.amazon.co.jp/免疫学の基礎-小山-次郎/dp/4807905996
極めたい人は、「水族生化学分野で卒論・修論・博士論文研究を行う。」

C3の立体構造について知りたい。
参考文献
Janssen BJ, Huizinga EG, Raaijmakers HC, Roos A, Daha MR, Nilsson-Ekdahl K, Nilsson B, Gros P. Structures of complement component C3 provide insights into the function and evolution of immunity. Nature. 2005 Sep 22;437(7058):505-511


C3分子の立体構造(リボンモデル):C3とC3bの立体構造模式図(C3中の△、C3b中の赤点がチオエステル部位。かなり位置が変化している。)

C3がα鎖とβ鎖に別れてジスルフィド結合していることには何か意味があるのか?
立体構造を見ると、αとβに別れているので、それぞれが都合の良い空間配置を取って、機能部位を必要な位置に定位させているようです。αとβに分離してない、未成熟なC3(proC3)はまったく活性を示しません。

異物の表面以外にもOH基はありそうだと思うが、そこにはエステル結合することはないのか?
(Good question! スルドイ。)
原理的にはあります。C3bのチオエステル自体は、水酸基なら何でも結合します。ただし、自分の細胞上には、仮にC3bが結合しても直ちに分解してしまうようなタンパク質が発現していますので、自己細胞に多量のC3bが結合することを防いでいます。ただし、傷ついた組織やある種の自己免疫疾患やアレルギーではこのような制御が効かず、補体によって自分の組織が損傷を受ける場合があります。

補体の膜逆侵襲複合体の構造が興味深かった。(この形成過程がよく分からなかった。)
1.C5は活性化されてC5bになると、疎水的な残基を表面に露出して標的細胞膜に疎水的に付着する。
2.C6、C7はC5bに親和性を示し、標的細胞に付着したC5bに非共有結合的にくっつき、立体配座(コンフォメーション)を変化させる。
3.C8はコンフォメーションが変わったC6やC7に親和性を示して結合し、自らのコンフォメーションを変化させ、さらに標的細胞膜の脂質二重層に埋まり込む。
4.多数(4〜8分子)のC9が、脂質二重層に挿入されたC8に親和性を示して、集合し、C9同士も凝集してコンフォメーションを変え、疎水性の表面を顕し、脂質二重層にさらに埋まり込んで膜に孔をあける。
……って誰か見てきたみたいな説明が教科書にのってます。

C3は一度結合したら外れないのか? 水と結合した後でさえもリサイクルしないとなると相当量のC3が血清中には存在するのだろうか?
自然には外れませんが、血清中にC3bを分解するプロテアーゼが備わっているので、徐々に分解されます。それでもチオエステル部位で共有結合した部分は残ります。 活性化される前のC3のチオエステルはそれほど水などの水酸基とは反応しません。C3bに分解されると、チオエステル部位が露出して反応性となります。一度C3bになっても異物に結合し損なうと、水と反応してさらに前述のプロテアーゼによって分解されますので、推察するようにC3は沢山必要とされます。血清濃度の高いタンパク質の一つです。(1 mg/ml)

今回の授業の内容はヴォートで勉強できるか?
ヴォートには補体の記述はありませんが、プロテアーゼの構造と機能、タンパク質の機能(II)などの章は、補体の反応を理解する基礎として重要です。

EDTAの正式名称は? キレートとは?
Ethylenediaminetetraacetate   キレート=chelate
http://ja.wikipedia.org/wiki/キレート
http://ja.wikipedia.org/wiki/エチレンジアミン四酢酸

なんで教授はMacを使う人が多いのか?
さて? 私は(1)昔から慣れているので (2)Winが嫌いなので(使いにくいと感じる) (3)Microsoftとビルゲイツが嫌いなので などの理由。以前はよくFreezeして呪っていたが、OS10.4からはとても安定していて安心感があります。

C3aの濃度勾配を、白血球はどのように認識するのか?
C3aを特異的に認識する受容体が細胞表面に発現していて、それにC3aが結合すると細胞の運動性が増す。

Mr. ビーンが好き?
古い作品は好きです。なかなかいいね、Rowan Atkinson。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rowan_Atkinson

補体の成分はC1-C9の9種類だけ?
他にもあります。哺乳類だと全部で30種くらい。

サンダーバードのパロディーのウケは国によって大きくことなる?
よくわからないけど、アジアでウケたことはない…

プリントに要点しか書いて無くて、詳しい内容を復習するときに使いづらい。
補足情報は私の講義を聴きながら自らノートをとるなどしてください。必要なら質問する/参考書を参照するなども吉。

マツカサ病の治療法は?
立鱗病(運動性エロモナス症)ですか、、よくわかりませんので、下記Webを参照して。
http://www7.ocn.ne.jp/~ranncyuu/eromonasu.html

2009年5月18日月曜日

水族生化学特論Q&A 090512

Rag1遺伝子は哺乳類にもある?
あります。抗体を産生する獲得免疫を備えた動物は必然的にRag1遺伝子をもっています。

Rag1遺伝子はゼブラフィッシュ以外の魚種にも存在するはずだが、なぜRag1欠損系統がゼブラフィッシュ以外では確立されていないのか?

技術的な問題でしょう。小型で沢山(1万種類以上)のmutantを維持するには、ゼブラフィッシュやメダカのような世代時間の短い小型魚が現実的でした。

Rag1欠損ゼブラフィッシュが哺乳類とは異なって正常に発育できる理由が興味深い。
哺乳類(たとえばマウス)でもRag1 mutantは作成されており、清潔な環境では正常に育つが、感染試験では非常に弱いそうです。これがゼブラフィッシュの場合は、マウスの場合よりももっと微生物感染のチャンスが多い環境でもOKであるということ。理由はまだまだ解明されていないけれども、とても興味深い研究対象です。

免疫学の実験で(たとえばRag1欠損の研究)なぜゼブラフィッシュが用いられたのか?
限られたインフラ(例えば小さな水槽)で飼育が容易。ゲノム情報や遺伝子地図がよく整備されている。個体発生のデータが蓄積されている、などなどの積み重ねでしょう。でも順遺伝学や逆遺伝学の材料としては有用でも、ゼブラフィッシュを使って生化学や細胞生物学的な実験を行うのは困難です(臓器や細胞を十分量得ることが困難)。用途に応じて最適な実験動物を活用することが必要です。

抗体H鎖の多様性が生まれるメカニズムがよく分からなかった。
別の授業で後日紹介する機会があると思いますが、簡潔にまとまっているサイトがあります。
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0040d/contents/500k/106-110.html

日本脳炎やインフルエンザなど、病原体によってワクチンの効き(免疫記憶の保持時間)に差が出るのはどのようなメカニズムによるか?

全てが明らかになっているわけではありませんが、次のような要因が考えられます。
・感染ルート:ワクチンの接種部位と病原体の実際の感染ルートが大きく異なると、実際の感染門戸での防御能が十分に上がらない、記憶が長く続かないことがある。
・抗原性の強さ:病原体の構造によってはあまり強く免疫系が刺激されずに、十分な免疫反応を引き起こさない。
・病原体の変異の速さ:ウイルスや原虫の中には、自らの表面構造を変化させるものがある。すると、一旦成立した免疫が無効となるか、極めて弱くしか反応できなくなる。

免疫記憶の具体的なメカニズム
1種の抗原レセプター(抗体かT細胞受容体)は1クローンのリンパ球が発現します。ある抗原に反応(結合)できる抗原レセプターを発現するリンパ球が少数ながら体内に長期間生残している状態が、免疫記憶です。2回目にその抗原に出会うと、素早くそのクローンが増殖できる状態です。

ヒト化抗体をゼブラフィッシュで作る試みはあるか?
今のところありません。ヒトに近い動物の細胞で作らせるのが現実的でしょう。

VDJ領域のランダムな選択が、どんな指令によって起こり、どのように、抗原に特異的な選択が行われるのか?
VDJ領域の遺伝子変換は、B細胞やT細胞がそれらの幹細胞から分化する段階で起こります。宿主にとって都合の悪い結果となった変換を起こした細胞は脾臓や胸腺でアポトーシスによって除去され、残りがレパートリーとして体内にストックされ、抗原の刺激に応じて、たまたま適合する抗原受容体を発現する細胞クローンが増殖します。この増殖は、多くのサイトカインや抗原提示分子によってコントロールされています。

獲得免疫による自然免疫のさらなる活性化とはどのようなメカニズムか?
もともと自然免疫の病原体除去機構である、補体や食細胞が、抗体を認識する分子を備え、抗体が結合した異物を抗体を介して容易に認識できるようになる。さらにそれらの活性化がより協力に起きるようになります。

哺乳類が獲得免疫を発達させたのとは逆に自然免疫の機能を衰えさせたのか?もしそうならばそのメリットは?
すごくスルドイ質問です。自然免疫を衰えさせた、ということはないかもしれませんが、結果的に自らの生体防御が獲得免疫に依存する度合いが高くなっていると言えるでしょう。

脊索動物の系統樹でゼブラフィッシュだけが分岐していたのはなぜか?
特に大きな意味はなくて、魚類以外の脊椎動物(四肢動物=両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の分岐を省いて書いてあるだけです。それでも、硬骨魚類は脊椎動物の中でも特に特殊化・多様化したグループであることは確かなようで、硬骨魚類よりも軟骨魚類(サメ・エイ)の方が、四肢動物に近い遺伝子構造・配置を保持しています。

「免疫(力)が落ちた」とはどのような意味か?
マクロなレベルでは、感染防御の能力が下がっている状態。では具体的に何が下がっているのかはケースバイケース。食細胞の活性、NK細胞(ガン細胞をよく殺せる)の活性、補体の活性、抗体の濃度などなど。


Rag1欠損ゼブラフィッシュの作成した論文のインパクトはどのような点にあったのか?
1つめに、魚類ではES細胞(胚性の幹細胞)が樹立されていないので、いわゆるノックアウト動物を作ることができないが、この論文にある方法を使えば、ノックアウト動物を探し出す(スクリーニングする)ことが可能である、ということ。2つめは、魚類では特に獲得免疫欠損状態でも正常に育つ能力が高いようだ、ということが示唆されたこと。

インフルエンザワクチンを毎年接種すべき(しないと有効でない)理由?
現状のインフルエンザワクチンの注射では、鼻や喉の粘膜における免疫が成立しにくいので、防御能があまり高くならないことが一つの原因であるようです。また、生ワクチンでなく不活化ワクチンであるために、抗原構造に何らかの変化が生じており、免疫系を刺激して強い免疫記憶を残す能力が高くないとも言われています。
参照:「インフルエンザワクチンについて(国立感染症研究所)」
http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html

進化の過程で、獲得免疫が出現したのはどの段階か?
哺乳類などの高等動物と相同な獲得免疫は軟骨魚類・硬骨魚類以上の顎のある脊椎動物に認められています。その進化の道筋については、「8倍体説」としてこの授業で触れる予定です。

哺乳類などの高等動物において獲得免疫の重要性がたかい(依存度が高い)ことを示す例は、ヌードマウス以外にもあるか
人間がHIVに感染してヘルパーT細胞が減少すると獲得免疫の応答能が低下します。この状態では、通常獲得免疫があれば排除できるような非病原性の微生物の排除ができなくなって、感染症になります(日和見感染)。

毎年インフルエンザに怯える生活が(状態が)終わって欲しい。
怯えてますか? 私はあまり怯えてはいません(普通の季節型に対しては)。もしインフルエンザに罹ったら何日か寝込むでしょうが、重篤なことになるリスクが高い年齢や身体状態ではないので、寝込めば治るんだろうと楽観的です。受験生とかはそうも行かないのでしょうが。私はインフルエンザに関してはワクチンの効果というか接種する意義に対して懐疑的なのと、一度接種したときに気分が悪くなったので、副作用のリスクを考えて接種していません。実はワクチンも打ってません。タミフルのインフルエンザに対する効果についても、特効薬として期待する(安易に飲む)ことしたくないと感じています。個人的には、1,2日寝込む期間が短くなるだけにしては副作用の方が心配です。

獲得免疫が遺伝子に組み込まれて自然免疫になることもあるか?
おもしろい考え方だと思いますが、その例は報告されてないと思います。

Rag1の作用とは、特定の遺伝子(あるいは配列)に特異的なのか? いわゆる変異原性を示すのか?
Rag1は特定の分化段階のリンパ球でのみ発現し、それは、抗体やT細胞受容体の遺伝子に存在する特有の配列(recombination signal sequences)に結合できるので、これらの遺伝子に特異的に組換えを起こします。塩基を修飾して突然変異を誘発するような、変異原性はありません。

(抗体の抗原結合部位の多様性を増加させる)点突然変異がS領域で生じるとクラススイッチが起こるのか?クラススイッチはどのような物質で誘導されるのか?
VDJの遺伝子再構築と抗体のクラススイッチのメカニズムは全く異なります。クラススイッチに必要な遺伝子再構築(組換え)にはRag1ではなくAIDという名の酵素が関わります。
紹介はこちら(クラススイッチ機構を解明した本庶 佑先生のエッセイ):
http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/J_Essay.htm

遺伝子組換え(再構成)で抗原への結合多様性を創造する、獲得免疫の、組み替える配列の材料は何処にあるのか?組換え後にはそれら材料となった配列はどこに位置するのか
Germ lineのゲノムDNAには、V遺伝子断片が約200コピー、D遺伝子断片が約20コピー、J遺伝子断片が6コピーあります。これらが材料。このうちの各1コピーずつが使用されますが、単純に言えば、組換え後は、それ以外の部分は切り取られてゲノムから消失します。

ゼブラフィッシュってどんな魚?
インド原産といわれる、コイ目、コイ科に属する熱帯魚(学名Danio rerio
http://ja.wikipedia.org/wiki/ゼブラフィッシュ
生物学としてのゼブラフィッシュ情報はこちら
http://zfin.org/cgi-bin/webdriver?MIval=aa-ZDB_home.apg
熱帯魚屋さんでの通称名は「ゼブラダニオ」@100円程度
水槽の中をしょっちゅう泳ぎ回って休まないので、せわしなく感じる。見たい人は水族生化学にお越し下さい。