2011年7月27日水曜日

プロジェクト演習2011論文決め

PAMPs, DAMPs認識の分子基盤について文献調査し、理解しよう。

自分が調べてみようか、という論文を見つけたら、その第一著者名、タイトル、ジャーナルの書誌事項(巻・号、ページ、年)をコメント欄に記入して下さい(氏名をお忘れ無く)。かぶったら基本的に早い者勝ちですが、来週末(8/5)までに、私の承認をもって正式に調査対象文献として決定します。

中尾

2011年6月19日日曜日

魚類免疫学 Q&A 110601,110608


Q ランダムな遺伝子再配置で抗原レセプターの遺伝子が完成するのに、抗原にピンポイントに(ぴったりと?)対抗(結合?)できる抗体などがすぐに生成されるものか?
ランダムな再配置などで生じた抗体/TCR遺伝子をもつ多数クローンのB/Tリンパ球が体内に蓄えられ、特定の抗原による刺激が起こると、その抗原に結合できる抗原レセプター分子を発現する特定のB/Tリンパ球クローンが増殖を開始します。このクローナルな増殖を進めるために、獲得免疫応答は日数を要します。

Q 体細胞点突然変異による多様化は、抗体遺伝子の多様化にどの程度寄与するのか?
定量的な評価は難しいです。点突然変異は、一旦出来上がった抗体遺伝子をさらに変化させて、より親和性の高い抗体を生じさせる(アフィニティー成熟)のに重要だと言われています。

Q VDJ接続の不正確性による多様化はH鎖だけにしか起こらないか?
A L鎖でも同様の仕組みが働きますが、L鎖のV領域はV断片とJ断片に分かれているので、VJの接続に不正確性が生じます。

Q 突然変異やVDJ接続の不正確性によって生じた配列が、その宿主にとって良いか悪いかを判断する仕組みを知りたい。(Q 抗原レセプターの多様性がこれほど高いと、自己組織に反応する抗体などが出現して周囲の細胞・組織に悪影響を及ぼさないか?)
A 自己反応性や(配列途中で終止コドンが入ってしまうような)不完全な抗原レセプターを膜状に発現することになったB細胞/T細胞は成熟の過程でアポトーシスに陥って排除されます。その詳しい仕組みは、下記の参考書を参照。

Q 母乳によって免疫力が高まるのはどのような仕組みか?
A 母乳中のIgA抗体が口腔・消化管において病原体に結合して、経口的な感染を防いでいます。

Q 鳥類や両生類はIgDを捨てたのか? もしそうならば、IgDを保持している意味は?
A 鳥類や両生類はIgG遺伝子座を失ったのでしょう。IgDの生理的機能がはっきりしていませんので、IgDを保持している進化的な意味はまだ不明です。

Q 第1回目からの全講義プリントをダウンロード可能にして欲しい。
A OKこちらの共有フォルダーに置いてます。ダウンロード期限に注意(6/28まで)。

Q スプライシングを起こす仕組みは、制限酵素によるDNAの特異的切断と関係があるか?
A mRNAのスプライシングは、スプライソゾームというタンパク質とRNAの複合体によって触媒されますので、制限酵素による作用とは直接の関係はありません。

Q 胎盤通過能をもつ抗体クラスはIgGだけか?
はい。

Q 選択的スプライシングによって(膜型と可溶型が)生じるのはIgMIgDだけで、IgGIgEIgAを作るためにはクラススイッチが必要ということ?
A その通り。クラススイッチは、ゲノムDNAで起こる非可逆的組換え反応であることに注意。

2011年6月1日水曜日

魚類免疫学 Q&A 110518

※講義資料はこちらのサーバーからダウンロードできます。

Q IgGIgDのドメイン数は同じだが、どこが異なるのか?
A 基本的なIgらしいアミノ酸配列を保持し、Igドメインの数も同じですが、互いに30%以下のアミノ酸配列同一性しか示しません。

Q IgMIgAがオリゴマーになる理由は何か?
A IgMは、H鎖のCH4ドメインンのC末端付近にあるCysが鎖間でジスルフィド結合を形成して五量体(哺乳類)となります。IgAは、J-chainと呼ばれる分子量約15 kDaのポリペプチドに2分子のIgA H鎖がジスルフィド結合することによって二量体化します。五量体IgMにもJ-chainが含まれますが、五量体化にはJ-chainは必須ではありません。

Q 抗原と抗体が大きな凝集物を作ったら、その塊は生命現象を阻害したりしないか?
A 大きさによるでしょう。過剰な免疫複合体は、組織に沈着しやすく、自己免疫疾患やアレルギーの原因になることがあります。(例:糸球体腎炎など)

Q 抗体のクラスによる化学的性質の違いは?
A 等電点、分子量などが異なりますが、純粋に化学的な性質と言うよりも、生物学的な性質(生体内での機能)の違いが重要です。

Q 魚類で最も多く作られるIgMの方がIgDよりも複雑な構造をもつのは何故か(大量に必要なものは簡単な構造になるように進化しなかったのはなぜか)?
A IgMIgDは両方とも進化的には祖先に近い抗体です。高等動物では、IgDのように分子量の小さなクラス(IgGIgA)が量的に沢山作られますので、「大量に必要なものは簡単な構造になるように」変化したと言えるでしょう。

Q ラクダの抗体にはH鎖しかないために不利な点はないか?
A ラクダの生存にとってなんら不都合はないようです。

Q 抗体産生において環境温度の影響を受けるのは硬骨魚類だけか?
A 変温動物には同様な傾向があるでしょう。

Q ヤツメウナギ(円口類)は抗体をもたないのにどうやって抗原(微生物)から身を守っているのか?
A 自然免疫因子と、円口類特有の抗体様分子が働いていると考えられます。興味がある人は、「Variable lymphocyte receptor」で検索してみて。

Q B細胞の分化の詳細を知りたい。
A 参考資料をどうぞ。
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=1998&number=4302&file=DXEWJQweka1Om1vrWQpSXQ==

Q 魚類は水中にいるの、空気中で生活する人間と同じタイプの免疫を持っていてそれが正常に働くのだろうか?
A 必ずしも同じタイプの免疫とは言えないでしょう。似た分子を使ってはいますが。

Q (抗体の)ドメインの大きさは一定か?
A 一つのIgドメインはおよそ100アミノ酸で、分子量1213 kDa

魚類免疫学 Q&A 110511


Q マクロファージによる抗原提示のメカニズムを詳しく知りたい。
A 抗原提示のメカニズムはこの授業の後半で説明します。(杣本先生担当)お楽しみに。キーワードは、外因性抗原の提示、MHCクラスIICD4、ヘルパーT細胞。

Q マクロファージは自身が作った殺菌物質から自分をどのように防御しているのか?
A 抗菌ペプチド、リゾチームなどは細菌に対してのみ働く特異性があります。各種消化酵素はファゴリソゾーム内に閉じ込められています。活性酸素、活性窒素は自身に非特異的に作用する可能性があるので、Superoxide dismutase、カタラーゼや各種抗酸化物質を産生して消去しています。

Q ニジマスリンパ球の貪食写真は偶然撮れたのか?
A 撮影した本人(オリオール・スニエル博士 写真右端)に尋ねました。1日8時間!以上、そして1週間以上をかけて電子顕微鏡による観察を続け、もっとも効果的な写真を撮影することに成功しました。そんな粘りと集中力が重要でした。


Q 貪食細胞は自分より大きな異物に対してはどのような反応をするのか?
A 異物をいくつかの食細胞で取り囲む包囲化を起こしたり、標的細胞に接着して活性酸素を浴びせて細胞障害作用を及ぼします。

Q 魚類の食細胞とヒトの食細胞ではどちらが優れているのか?
A 種による優劣を語ることはできません。例えば、アユの好中球は非常に高い活性酸素産生能を示しますが、それが優れた性質なのかどうかはわかりません。

Q 哺乳類の赤血球はなぜ無核になったのか?
A 答えの一説はこちら。
http://h-ninomiya.at.webry.info/200904/article_2.html

Q なぜ魚類や甲殻類の細胞株を樹立することが難しいのか?
A わかりません。

Q エビ・カニの組織内には細菌が存在していても問題ないのか?
A 細菌の性質(種)や濃度にもよるでしょうが、現実に細菌がいますから問題ないのでしょうね。ただし、カブトガニの血球のようにグラム陰性菌に非常に鋭敏に反応する例もあります。

Q 魚類や甲殻類の食細胞をうまく保存する手法を見つけたらスゴイですか?
A まじ、すごいです。

2011年5月11日水曜日

魚類免疫学QA 110427

この回の講義資料などのダウンロードはこちらから
https://storage.iii.kyushu-u.ac.jp/public/8gpkQA4JOoNAPVgBRxUv1AKRFtiCxZG1kioUdxTYl8sM

Q コレクチン(MBL)は糖鎖のどの部分を認識するのか?
A 糖鎖を構成する単糖の3位と4位の炭素に付く水酸基を認識しています。これら3,4位の水酸基の相対的な向きがマンノースとグルコース(グルコサミンも)間で同じなので、MBLは通常、マンノースもGlcNAcも認識できます。

Q 補体にCaイオン、Mgイオンが必要な理由は?
A C1という成分はC1qC1rC1sという3種のタンパク質が会合して作られていますが、この会合にCaイオンが必要です。また、補体成分C2B因子は、分子内にMgイオンを結合しないと機能しません。

Q 古典経路という名称は、補体1900年頃に発見された時も古典経路と呼ばれていたのか?
A 古典経路という名前は、第2経路が発見された時に名付けられました。

Q C5C9の作用を分子レベルでもう少し詳しく知りたい。補体C1, C4, C2の機能も詳しく知りたい。
A オススメ参考書を紹介しましょう。
「補体への招待」(大井、木下、松下編 メジカルビュー社)(中央図書館に1冊有ります。)
または、膜侵襲複合体形成についてはこちらにも参考になりそうな記事をおきます。
https://storage.iii.kyushu-u.ac.jp/public/JgdgQAWJUwNAOr8BbBYvl9PaW1Uil4HjTLLqPGQxbcby

Q C3aは一本鎖構造?
A 一本鎖です。C3a内にCysが6個ありますが、すべて鎖内でジスルフィド結合しています。

Q 補体を持っていない動物(たとえばハエやエビ?)は、補体の代わりになる生体防御因子を備えているのか?
A 鋭い質問です。殺菌活性で言えば、多くの抗菌タンパクがあります。オプソニン活性を示すレクチンもあります。これらが完全に補体の代用になっているかどうか?に答えるのは難しいです。

Q なぜサンダーバードが好き?
A 決まってるでしょう!かっこいいから。特に、1号から3号が発射する仕組みがCool!
http://www.tbjapan.com/

Q 自己免疫疾患になると体はどうなるのか?
A 本来は外的を殺すべき免疫因子によって、自分の細胞が障害を受けます。

Q 白血球が異物を取り込んでいる写真があったが、実際に何倍くらいに拡大すると見えるのか?
A 光学顕微鏡ならば200400倍で見えます。

Q チオエステルはC3が異物と出会えば自動的に切断されるのか?
A C3C3aC3bに分解されて、C3bが大きな立体構造変化を起こすと切断されます。人為的には、低分子アミンと反応させると、切断できます。

Q なぜ補体による異物認識(活性化経路?)が3種類有るのか?
A なぜでしょうねぇ? それぞれの経路が認識できる標的分子が異なるので、いろんな病原体に対して反応できるように仕組まれているのでしょう。異物認識のレパートリーを広げる意味がある、と表現しましょう。

Q 赤血球の大きさは大人と子供では異なるか?
A 調べてみて。少し調べた限りでは、おそらく有意な差は無いと思います。それよりも、生理状態(貧血など)によってサイズは有意に変化します。

Q 携帯のストラップは何かのキャラ?
A さぁ? 家族からのもらい物ですのでわかりません。


2011年4月26日火曜日

魚類免疫学 110420 Q&A


*Q&Aおよび授業資料のpdfファイルはこちらからダウンロードできます(授業があった日からふつうは1週間以内にアップします。サーバーにアップしてから2週間はダウンロードできます。)

Q コラーゲンを食べて分解・消化・吸収されたアミノ酸は、コラーゲン生合成の材料として使われやすいか?
A まずはWikipediaでも足がかりに調べてみたらいかがですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/コラーゲン
簡単に表現すれば、
・摂取したコラーゲン中のヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンは、コラーゲンの生合成には使われない。
・上記アミノ酸を形成するためのヒドロキシル化にはビタミンCが必須。
・直接生合成の材料にはならないが、コラーゲン由来ペプチドがコラーゲン合成を促進させるような間接的な効果は報告されている。

Q コラーゲンはどのように摂取すれば効果があるのか?
A 「どんな」効果を得たいのかわかりませんが… 

Q コラーゲンを飲んでも意味がないのにそんな商品が発売されているのは何故か? 意味がないと考えるのは(中尾の)個人的意見?
A 効果があると感じ、信じている人がいるから売れるのでしょう。上記のような間接的効果があることを否定しませんが、現在のようなコストを払ってありがたがる意味はないと思います。これは私の個人的意見です。普通のタンパク質と必要十分なビタミンCを摂取していれば、必要な量のコラーゲンは合成されるものでしょう。ことさらコラーゲンをありがたがる必要はないのでは? さらに言えば、ゼラチンはコラーゲンの熱変性物です。経口摂取するんだったらどちらでも同じですよね。

Q コレクチンのコラーゲン様領域は、アミノ酸配列がコラーゲンに似ているのか、三本鎖構造をとる点が似ているのか?
A G-X-Yが繰り返すアミノ酸配列のタンパク質は、正常に存在するには必然的に三本鎖構造らせん構造をとります。したがって、両方の点で類似していることになります。

Q コラーゲンのアミノ酸配列-G-X-Y-XYにはどんなアミノ酸が入るのか?どんなアミノ酸がヒドロキシ化を受けているのか?
A ヒドロキシル化されるアミノ酸はLysineProline。そのほかどんなアミノ酸があるかは、
http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bfind?swissprot
で、collagenを検索してみましょう。

Q 抗菌ペプチド耐性菌によって免疫が効かなくなることとエイズウイルスとの関連はありますか?
A ありません。自分の抗菌ペプチドが無効になることと、HIV(エイズウイルス)で自分が免疫不全状態になることはまったく異なります。

Q もっと脱線話しを。
A 期待されなくとも、話さずにはおられますまい。

Q レクチンによる異物排除の仕組みがわかりにくかった。
A 凝集反応、オプソニン化、補体の活性化などに関する今後の授業で触れ直すことにします。

Q チキン型とグース型リゾチームの由来は?
A ニワトリ卵白から最初に見つかったのがチキン型。グース型の命名も同様な理由だと想像しますが、証拠は見つかりませんでした。google検索でいろいろ探してみたら?

Q 抗菌ペプチドは細胞壁(ペプチドグリカン層)や外膜を透過して細菌の細胞膜に到達できる?
A 分子量が小さいので、細胞壁や外膜を通過できます。

Q 魚は卵白リゾチームを食べてくれる?
A 配合飼料に練り込めばOKです。

Q グラム陽性菌と陰性菌(の細胞壁?)に物理的な強さの違いがあるか? 両細菌の利点と欠点は?
A 細胞壁の物理的強度に関しては気にしたこともありませんでした。わかりません。「利点と欠点}という考え方は馴染まない気がします。

Q グラム陽性・陰性菌ではどちらの方が(種の?)数が多いか?
A 微生物学/細菌学の教科書を参照して下さい。ところで細菌学には、オンラインの教科書もあるんですね。
http://www.textbookofbacteriology.net/index.html

Q カブトガニタキレクチン5の5カ所のアセチル基結合部位のうち、プリントの図にあるように4カ所で結合しただけでは正味の結合力としては強くないのか?(5カ所全てが結合しないとダメ?)
A 正味の結合力の強い/弱いにはっきりした境界があるわけではく、結合力は実際にリガンドが結合している数に比例するでしょう。

Q グース型リゾチウムはキチン分解活性が弱いのに、なぜ進化的に保存されているのか?
A 興味深い、大事な視点だと思います。キチンは分解できずとも抗菌作用はあって、それに生体防御上の意味があるのでしょう。総説を紹介します。
Lysozymes in the animal kingdom.
Callewaert L, Michiels CW.
J Biosci. 2010 Mar;35(1):127-60. Review.
ホヤの一種(Ciona intestinalis)には、グース型しか見つからないのだそうです。
Urochordates carry multiple genes for goose-type lysozyme and no genes for chicken- or invertebrate-type lysozymes.
Nilsen IW, Myrnes B, Edvardsen RB, Chourrout D.
Cell Mol Life Sci. 2003 Oct;60(10):2210-8

2011年4月19日火曜日

魚類免疫学 110413 Q&A


Q ”予期している”の意味がよくわからない。
A これから自然免疫のメカニズムを説明しながら、この点に関しても理解できるように工夫したいと思います。

Q 両親にはない、卵・そばアレルギーがあるのは獲得免疫に関係するのか?
A はい、獲得免疫が関係します。遺伝と無関係ではないですが、100%遺伝するわけではありません。

Q 水産用医薬品にも様々なものがあるようだが、それらはどんなときに使われるか?
A この授業のかなり後の方で杣本先生から講義があります。

Q 魚類の免疫研究で一番注目されている魚類(魚種)は何か?
A 1種ではないです。モデル生物としては、ゼブラフィッシュ、メダカ、トラフグなどの研究者人口が多いです。産業場の重要種としては(流行り廃りがあるが)、日本ではヒラメ、欧米ではニジマスが人気です。私の研究室が対象とするコイとギンブナは、ゼブラフィッシュの親戚で、世界レベルでの産業的重要性とモデル魚としての優れた性質を兼ね備えています。

Q 魚に投与された免疫強化剤を、魚ごと人間が摂取すると何か影響がないか?
普通の(天然物の)免疫強化剤は主に多糖かタンパク質なので、少量を経口で摂取することには問題ないと考えられますが、すべての免疫強化剤は経口摂取における安全性を確かめてから認可されます。

Q 獲得免疫に置いて、親子で異なる細胞をもるようになるのはどの時点からか?
リンパ球の元になる幹細胞が骨髄で作られてから、抗体やT細胞受容体という分子の遺伝子が変化します。個体の年齢に応じてと言うよりは、リンパ球が造血されてから成熟して行くにしたがって遺伝子が変化します。

Q 自然免疫では何がどうやって異物に働くのか?
A それはそれはいろんな分子がありますので、これからの授業で順に説明します。
例)レクチン、抗菌ペプチド、補体、リゾチームなどなど

Q IgGIgEって何?
A 抗体あるいはイムノグロブリンと呼ばれるタンパク質には様々な種類(様々なクラスがある、と表現)があります。GとかEとかはそのクラスの違いです。詳細は追々講義します。

Q 獲得免疫は有顎脊椎動物にしかないそうだが、獲得免疫機構と顎には何か関係があるか?
A 直接の関係はありませんが、進化の中で有顎脊椎動物が出現するときに起きたゲノム全体に渡る大きな遺伝子変化が、顎を生じさせたり、同時に獲得免疫も生じさせたのだと考えられます。

Q 魚類と哺乳類で免疫系が大きく異なる点は何か?
A これは簡単な問いですが、広く深い問題です。この授業全体で順を追って答えていきます。

Q Phase 3の眼とは?
A 柳田邦男氏による同名の著書(講談社、1984)より。
Phaseとは人間の意識レベルを示す。レベルは0〜4
                Phase 0= 昏睡・失神 状態(判断力 ゼロ)
                Phase 1= ぼんやり、たいくつ、酩酊、疲労困憊(判断の信頼性は低い)
                Phase 2= リラックス、定例作業時(予測や創造的活動能力は発揮されない)
                Phase 3= 精神活動が活発、意識が明解・機敏(適度な緊張)
Phase 4= 興奮、驚愕、慌てる、パニック(一点集中、判断力停止。信頼性は1と同様)
Phase 3の意識状態でものごとを見ましょう、という意味。
あ、Amazonで調べたら文庫版も含めて絶版みたいですね。興味がある人には貸しますよ。

Q 私(=中尾)がインフルエンザのワクチンを打たない理由とは?
A 免疫力が特に低下した病人や高齢者、乳幼児を除いて、普通の健常人はインフルエンザにかかっても、適切な安静と栄養状態を保てば多くの場合はいずれ治癒する。そうして得た本当の免疫こそ体を次回のインフルエンザ感染から守るのに最も強力である、と考えるからです。あなたに「打つな」と言っているのではないことに注意。
(参考)進化から見た病気(講談社ブルーバックス、栃内新 著、2009

Q 今日に限ってかもしれないが、もう少し板書を充実させて欲しい。
A 基本的にはスクリーンへの映写で進めますが、大事な点は板書します。