2011年4月19日火曜日

魚類免疫学 110413 Q&A


Q ”予期している”の意味がよくわからない。
A これから自然免疫のメカニズムを説明しながら、この点に関しても理解できるように工夫したいと思います。

Q 両親にはない、卵・そばアレルギーがあるのは獲得免疫に関係するのか?
A はい、獲得免疫が関係します。遺伝と無関係ではないですが、100%遺伝するわけではありません。

Q 水産用医薬品にも様々なものがあるようだが、それらはどんなときに使われるか?
A この授業のかなり後の方で杣本先生から講義があります。

Q 魚類の免疫研究で一番注目されている魚類(魚種)は何か?
A 1種ではないです。モデル生物としては、ゼブラフィッシュ、メダカ、トラフグなどの研究者人口が多いです。産業場の重要種としては(流行り廃りがあるが)、日本ではヒラメ、欧米ではニジマスが人気です。私の研究室が対象とするコイとギンブナは、ゼブラフィッシュの親戚で、世界レベルでの産業的重要性とモデル魚としての優れた性質を兼ね備えています。

Q 魚に投与された免疫強化剤を、魚ごと人間が摂取すると何か影響がないか?
普通の(天然物の)免疫強化剤は主に多糖かタンパク質なので、少量を経口で摂取することには問題ないと考えられますが、すべての免疫強化剤は経口摂取における安全性を確かめてから認可されます。

Q 獲得免疫に置いて、親子で異なる細胞をもるようになるのはどの時点からか?
リンパ球の元になる幹細胞が骨髄で作られてから、抗体やT細胞受容体という分子の遺伝子が変化します。個体の年齢に応じてと言うよりは、リンパ球が造血されてから成熟して行くにしたがって遺伝子が変化します。

Q 自然免疫では何がどうやって異物に働くのか?
A それはそれはいろんな分子がありますので、これからの授業で順に説明します。
例)レクチン、抗菌ペプチド、補体、リゾチームなどなど

Q IgGIgEって何?
A 抗体あるいはイムノグロブリンと呼ばれるタンパク質には様々な種類(様々なクラスがある、と表現)があります。GとかEとかはそのクラスの違いです。詳細は追々講義します。

Q 獲得免疫は有顎脊椎動物にしかないそうだが、獲得免疫機構と顎には何か関係があるか?
A 直接の関係はありませんが、進化の中で有顎脊椎動物が出現するときに起きたゲノム全体に渡る大きな遺伝子変化が、顎を生じさせたり、同時に獲得免疫も生じさせたのだと考えられます。

Q 魚類と哺乳類で免疫系が大きく異なる点は何か?
A これは簡単な問いですが、広く深い問題です。この授業全体で順を追って答えていきます。

Q Phase 3の眼とは?
A 柳田邦男氏による同名の著書(講談社、1984)より。
Phaseとは人間の意識レベルを示す。レベルは0〜4
                Phase 0= 昏睡・失神 状態(判断力 ゼロ)
                Phase 1= ぼんやり、たいくつ、酩酊、疲労困憊(判断の信頼性は低い)
                Phase 2= リラックス、定例作業時(予測や創造的活動能力は発揮されない)
                Phase 3= 精神活動が活発、意識が明解・機敏(適度な緊張)
Phase 4= 興奮、驚愕、慌てる、パニック(一点集中、判断力停止。信頼性は1と同様)
Phase 3の意識状態でものごとを見ましょう、という意味。
あ、Amazonで調べたら文庫版も含めて絶版みたいですね。興味がある人には貸しますよ。

Q 私(=中尾)がインフルエンザのワクチンを打たない理由とは?
A 免疫力が特に低下した病人や高齢者、乳幼児を除いて、普通の健常人はインフルエンザにかかっても、適切な安静と栄養状態を保てば多くの場合はいずれ治癒する。そうして得た本当の免疫こそ体を次回のインフルエンザ感染から守るのに最も強力である、と考えるからです。あなたに「打つな」と言っているのではないことに注意。
(参考)進化から見た病気(講談社ブルーバックス、栃内新 著、2009

Q 今日に限ってかもしれないが、もう少し板書を充実させて欲しい。
A 基本的にはスクリーンへの映写で進めますが、大事な点は板書します。


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