2010年4月15日木曜日

比較免疫学特論-1

受講生は20人でした。さて今後増えるかな?減るかな?教室のサイズは私には快適でした。3-612で講義するのは久しぶりです。自分のオフィスから近いのは助かります。

いくつか質問・コメントを貰いました。(読みやすいように、質問の文章を若干修正している場合があります。)

-もし、ゼブラフィッシュが適応免疫が不要ということは、自然免疫でこと足りるようなパターンがあるということですか?
(イマイチ質問の意味を捉えられずにいますが、)自然免疫因子だけで処理できる微生物は沢山いるのだと思います。

-抗菌ペプチドの反応機構も授業で扱いますか?
あまり詳しくはやらないつもりでしたが、少し紹介します。でもこうしてせっかく質問があったのだから、当初の予定以上の内容にしようかなぁ。

-獲得免疫は全生物(動物)共通にあるのか?そうでなければ進化のどの段階で獲得したのか?
8倍体仮説、という内容の回に詳しく述べますが、私たち哺乳類がもっているような獲得免疫は、顎のある脊椎動物にだけ備わっています。

-Rag1の一つの遺伝子だけで多数ある抗体の特異性を決めているとは思えないが、他の抗体が作られていないという証明はどのようになされているのか?
スルドイ質問です。その証明は面倒なのでほとんどなされていません。私のラボではその面倒なことにきちんと向き合おうとしています。請うご期待。

-獲得免疫の記憶はどのように生体中に残るのか?
少数のリンパ球(例えばB細胞)が長い寿命を獲得して体内に残り、2回目以降の感染に備えています。

-スライドで示された系統樹(Phylogenetic tree)は何に基づいて描かれたのか(形態? rRNA?)
元々は形態に基づいていますが、現在では遺伝子配列(rRNA遺伝子もその一つ)に基づいた再検証がどんどん進んでいるでしょう。

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