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Q コラーゲンを食べて分解・消化・吸収されたアミノ酸は、コラーゲン生合成の材料として使われやすいか?
A まずはWikipediaでも足がかりに調べてみたらいかがですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/コラーゲン
簡単に表現すれば、
・摂取したコラーゲン中のヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンは、コラーゲンの生合成には使われない。
・上記アミノ酸を形成するためのヒドロキシル化にはビタミンCが必須。
・直接生合成の材料にはならないが、コラーゲン由来ペプチドがコラーゲン合成を促進させるような間接的な効果は報告されている。
Q コラーゲンはどのように摂取すれば効果があるのか?
A 「どんな」効果を得たいのかわかりませんが…
Q コラーゲンを飲んでも意味がないのにそんな商品が発売されているのは何故か? 意味がないと考えるのは(中尾の)個人的意見?
A 効果があると感じ、信じている人がいるから売れるのでしょう。上記のような間接的効果があることを否定しませんが、現在のようなコストを払ってありがたがる意味はないと思います。これは私の個人的意見です。普通のタンパク質と必要十分なビタミンCを摂取していれば、必要な量のコラーゲンは合成されるものでしょう。ことさらコラーゲンをありがたがる必要はないのでは? さらに言えば、ゼラチンはコラーゲンの熱変性物です。経口摂取するんだったらどちらでも同じですよね。
Q コレクチンのコラーゲン様領域は、アミノ酸配列がコラーゲンに似ているのか、三本鎖構造をとる点が似ているのか?
A G-X-Yが繰り返すアミノ酸配列のタンパク質は、正常に存在するには必然的に三本鎖構造らせん構造をとります。したがって、両方の点で類似していることになります。
Q コラーゲンのアミノ酸配列-G-X-Y-のXとYにはどんなアミノ酸が入るのか?どんなアミノ酸がヒドロキシ化を受けているのか?
A ヒドロキシル化されるアミノ酸はLysineとProline。そのほかどんなアミノ酸があるかは、
http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bfind?swissprot
で、collagenを検索してみましょう。
Q 抗菌ペプチド耐性菌によって免疫が効かなくなることとエイズウイルスとの関連はありますか?
A ありません。自分の抗菌ペプチドが無効になることと、HIV(エイズウイルス)で自分が免疫不全状態になることはまったく異なります。
Q もっと脱線話しを。
A 期待されなくとも、話さずにはおられますまい。
Q レクチンによる異物排除の仕組みがわかりにくかった。
A 凝集反応、オプソニン化、補体の活性化などに関する今後の授業で触れ直すことにします。
Q チキン型とグース型リゾチームの由来は?
A ニワトリ卵白から最初に見つかったのがチキン型。グース型の命名も同様な理由だと想像しますが、証拠は見つかりませんでした。google検索でいろいろ探してみたら?
Q 抗菌ペプチドは細胞壁(ペプチドグリカン層)や外膜を透過して細菌の細胞膜に到達できる?
A 分子量が小さいので、細胞壁や外膜を通過できます。
Q 魚は卵白リゾチームを食べてくれる?
A 配合飼料に練り込めばOKです。
Q グラム陽性菌と陰性菌(の細胞壁?)に物理的な強さの違いがあるか? 両細菌の利点と欠点は?
A 細胞壁の物理的強度に関しては気にしたこともありませんでした。わかりません。「利点と欠点}という考え方は馴染まない気がします。
Q グラム陽性・陰性菌ではどちらの方が(種の?)数が多いか?
A 微生物学/細菌学の教科書を参照して下さい。ところで細菌学には、オンラインの教科書もあるんですね。
http://www.textbookofbacteriology.net/index.html
Q カブトガニタキレクチン5の5カ所のアセチル基結合部位のうち、プリントの図にあるように4カ所で結合しただけでは正味の結合力としては強くないのか?(5カ所全てが結合しないとダメ?)
A 正味の結合力の強い/弱いにはっきりした境界があるわけではく、結合力は実際にリガンドが結合している数に比例するでしょう。
Q グース型リゾチウムはキチン分解活性が弱いのに、なぜ進化的に保存されているのか?
A 興味深い、大事な視点だと思います。キチンは分解できずとも抗菌作用はあって、それに生体防御上の意味があるのでしょう。総説を紹介します。
Lysozymes in the animal kingdom.
Callewaert L, Michiels CW.
J Biosci. 2010 Mar;35(1):127-60. Review.
ホヤの一種(Ciona intestinalis)には、グース型しか見つからないのだそうです。
Urochordates carry multiple genes for goose-type lysozyme and no genes for chicken- or invertebrate-type lysozymes.
Nilsen IW, Myrnes B, Edvardsen RB, Chourrout D.
Cell Mol Life Sci. 2003 Oct;60(10):2210-8
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